嗜好品としてのコーヒー

皆さんコーヒーライフ楽しんでますか?今回は嗜好品としてのコーヒーとの向き合い方について、僕の考えを綴りたいと思います。

そもそも「嗜好品」とは?

「嗜好品」の定義について世の中で言われていることを自分なりにまとめてみると、

栄養の摂取を目的とせず、その香りや味、刺激や快楽を楽しむために人間が求めるもの。

という感じだと思います。

主にコーヒー、紅茶、お酒、タバコなどが挙げられると思いますので、ニコチン、カフェインやアルコールなどの神経に作用する物質が含まれているものも多いですね。

僕と嗜好品

世知辛い世の中ではありますが、僕は喫煙者であります。お酒も大好きです。

と言ってもしっかり法律を守って、20歳になってから酒とタバコを始めた真面目な男でもあります(笑)

タバコも1mgのメンソールから始めて手巻きタバコや葉巻、シガリロ、キセルまで一通り試しましたし、酒に関してはバーボンにドハマりし、一時期は家にバーボンのボトルが常時20種類近く並んでいる、という時期もありました。ちなみにコスパ最強だと思うのはオールドクロウ、味が一番好きなのはエライジャクレイグ12年です。

プレミアムテキーラにもハマりましたね。一気飲みのイメージの強いテキーラですが、熟成されたものをちびちびと舐めるように飲む楽しさを知ってから見える世界が変わりました。

おそらく生来嗜好品に関してはこだわりたい、という身体に生まれてきてしまったので、コーヒーにハマるのも必然だったのかな、と思います。

コーヒーという独特な世界

さて、先ほど挙げた他の嗜好品とコーヒーとの間には大きく異なる点があるんですよね。

それは、

飲み手の介入できる要素がめちゃくちゃ大きい

という点です。

例えばバーボンは海外で収穫された原料を蒸留しボトリングされたものが輸入され、僕らはストレートで飲むのかロックで飲むのか、炭酸などの割材で割るのか、くらいの選択肢しかありません。

タバコも基本的には売られているものに火をつければ終わりです。

しかしコーヒーは、基本的には生豆の状態で輸入され、飲む前に加工する必要があります。生豆をどう料理するかは日本の自家焙煎店であったり、なんなら飲み手が自ら焙煎することも可能です。

大手企業が大量に生産してスーパーなどに卸しているものは鮮度という点ではなんとも言えない部分はありますが、近所のカフェや自家焙煎店のコーヒーを飲む場合、基本的にはその数日~数週間前に、生豆を焙煎するという工程を経ています。

焙煎の深さはどうするのか。家で淹れるにしても焙煎して何日後にどれくらいのメッシュで挽いて、さてドリッパーやフィルターはどれを使おうか、抽出温度はどうしようか。ホットで飲むのかアイスで飲むのか、ミルクや砂糖は入れるのか。最近流行りのソーダやトニックウォーターで割る飲み方もある。今年の夏はコールドブリューやミルクブリュー、氷出しコーヒーなんかも話題ですね。

一杯のコーヒーを口にするまでに、とにかく飲み手が決められる変数の多さが、コーヒーの面白さであり特徴であると思います。

コーヒー仲間でもある会社の先輩のおじさん

僕の勤めている会社には、二回り近く年上のコーヒー大好きおじさんがいます。

コーヒーという共通の話題があるので友達のように仲良くさせてもらっているのですが、コーヒーに対するアプローチは僕とは全く違っていて、

ナカガワ

  • カフェにはほとんど行かず、豆売りのお店に通う
  • 抽出方法よりも焙煎度を重要視する
  • コーヒーは必ず豆で買い、自分で挽く なんなら自分で焙煎する
  • 中深煎り~深煎りが好き

おじさん

  • いろんなカフェに顔を出し、スイーツと一緒にコーヒーを楽しむ
  • 挽きたてにこだわらず、豆を買うときは粉で買う
  • 深煎りと浅煎りの好みが周期的に入れ替わる
  • 抽出による味の調整にこだわり、複数の抽出器具を使い分けながら、スーパーに売っているような安いコーヒー粉をいかに自分好みの味で飲むかを探求している

ざっと挙げるとこんな感じでしょうか。

同じコーヒー好きでも重視するポイントは違いますが、決して僕はおじさんのことを否定するつもりは全くありません。

多分僕よりも数百杯のレベルでたくさんのコーヒーを飲んでいて、

人生におけるコーヒーとの付き合い方を自分の中で確立して辿りついた境地だと思います。

彼はお喋り大好きなコミュ力おばけなので、カフェに行って色んな話を仕入れてくるところも僕には真似できないな、と思います。尊敬しちゃうレベル。

抽出のこだわりに関しても、独自で抽出ノートを作っちゃうほどの変態性を持っています。

僕からしたら、「そんなにこだわるなら美味しくて新鮮な豆を自分で挽けばいいのに」と思わず言ってしまいそうになりますが、そんなのは野暮なんですよね。

僕が自宅で手鍋焙煎を始めたときにその面白さを語って勧めましたが、

「焙煎にだけは手を出すつもりはない」と言って突っぱねられてしまいました(笑)

おそらく興味がないわけではないけれど、やり始めちゃうと沼にハマって消費者の域から外れてしまうのが自分でもわかっているので、あえて遠ざけているんでしょう。

徹底して、自分はカフェの客であり、家で飲むにしてもあくまで消費者として程よい距離感で長くコーヒーを楽しみたいんだ、というスタンスが垣間見れました。

まとめ

社会人の朝、コーヒーを求める人は多いと思いますが、駅の自販機で缶コーヒー買って飲むという人、出勤前にスタバやタリーズやドトールに寄るよという人、毎朝コンビニでマシンのコーヒー買うよという人、はたまた3時のおやつタイムにドリップするコーヒーが欠かせないという人、別に寝る前にコーヒー飲んでも寝られるよ、と夜にコーヒーを淹れる人。色んな人がいると思いますが、コーヒーは人々の生活に完全に根付いたものになっていると思います。

勉強すればめちゃくちゃ奥が深いのに、日常の中にすっかり溶け込んでしまって誰もが気軽に楽しめるコーヒー。嗜好品の中でも、こんなに飲むタイミングに縛られず人々の生活に寄り添っているものは他にないんじゃないかな、と思います。

特に日本は、コンビニに行けば缶コーヒー、ペットボトルコーヒー、カップタイプのチルドコーヒー、コンビニ独自のコーヒーマシン、インスタントコーヒー、ドリップバッグ、濃縮ポーションコーヒーまでありとあらゆるモノが手に入るカオスとも言える状況です(笑)

こだわり始めれば深い深い沼がありますが、楽しみ方の幅の広さ、これこそがコーヒーが究極の嗜好品である所以だと思います。

とりとめのない文章になってしまいましたが、自分も自分なりに、興味の赴くままに好きなようにコーヒーと長ーく付き合っていきたいと思います。